景気のプロもまた一市民
「流れ」の見極めが肝要

 証券会社に勤めるEさん(40歳男性)は、今回の増税を次のように捉えているようである。プロの見解を紹介するので、やや政治経済の沼に足を突っ込みかけることとなるが、本稿にとって都合がいいことに、Eさんは一般消費者にも近い意見を聞かせてくれたので、ぜひ耳を傾けてほしい。

「あくまで個人的な見立てだが、株価は一度下がるかもしれない。それが大局にどう影響するかの見極めは重要。一時的な下げなのか、本格的な下落のサインなのか。政府の景気悪化対策がどこまで功を奏するかにもかかっていると思う。

 証券会社としては、景気がどう動いても対応していくしかないので、今回の増税に対して当然、ある程度の緊張は持っているが、悲観しすぎていては身動きがとれなくなってしまうので、『フレキシブルでいよう』という努力は怠らないようにしたい。

 駆け込み需要などによる増税バブルが期待される銘柄もあるので、当面はここをプッシュして売るのが自分の役割かなと。ピンチの中にもそうしたチャンスはあるので、これを逃したらもったいない」(Eさん)

 新卒の頃から数字に厳しく育てられたEさんならではというべきか、どのような状況でも数字に貪欲である。1人の証券マンとして景気に柔軟に対応していこうという構えに、プロ意識が感じられた。

 政治的な方向に寄らない意見を中心にピックアップしたためと思われるが、増税という国の方針に対して受け身である人の割合が多い結果となった。拾った声の中にはもちろん反対意見もあって、「(増税は)正気の沙汰ではない。自民党は常にブレブレである」「現首相が好きではないので、与党のやることすべてに信頼がおけない」などという意見が聞かれたが、やはりこのあたりはテイストが違うということで、本稿では割愛させていただいた。

 増税実施前の今が、世間が最もざわつく時期かもしれない。一般市民としては、賛成や不満を唱えつつ大きな流れに適応し、「増税で確保した我らの血税を、ぜひ有効活用してくださいよ、お国様ー!」と願うばかりである。