疲れて帰宅すると、ポストに同窓会を知らせる通知。あるいは、FacebookやLINEで届く、「○年ぶりに学年全体で集まりましょう!」という呼びかけ。懐かしさとうれしさがこみ上げる人は幸せである。同窓会で旧交などあたためたくはないアラフォー男性たちに、その理由を聞いた。(取材・文/フリーライター 武藤弘樹)
ワクワクだけではない同窓会
気が重くなるそれぞれの理由
青春時代を共に過ごしたあの頃の仲間たち。久しぶりに会えばいくつになっていてもあの頃の黄金の時間がよみがえる。旧友最高!俺たちの絆最高!
というのが同窓会の素晴らしい面である。上澄みだけすくってみると、上記のようなJPOPの歌詞が出来上がる。
しかし、同窓会は同時にネガティブな面も持っている。「あいつに会いたくない」や「当時の自分を今思い返すと恥そのものだから、出す顔がない」と考える人もいる。参加は任意だから嫌なら欠席すればいいだけの話だが、「幹事が出席をものすごい頼み込んできた」「特別ゲストとして恩師が出席するらしい」「十年ぶりの大規模な集まりだから顔を見せるだけでもした方が」といった、なんとなく情に訴えかけてくるような強制力があるところが悩ましい。
同窓会と聞けば喜んで曇りなく参加する人は、筆者周りを対象にした調査では約5割程度となり、もっと高い出席率の同窓会ばかりを身近に見てきたので、個人的には意外に少なく感じた。各人迷いや葛藤の末、出欠席の決断を下しているようである。
同窓会から足を遠ざけようとする人たちの種々の心理を紹介したい。
スクールカーストが主要因
中層に属していたAさんの場合
近年“スクールカースト”という言葉をよく聞くようになってきた。教室内にヒエラルキーがあることをカースト制度になぞらえて表した語である。この語が発明される前から教室内には確かにヒエラルキーが連綿と存在してきていたが、いよいよ“スクールカースト”という語で認知されるようになり、多くの人が今まで漠然と感じていた序列をより明確に意識するようになった、という流れがある。