ここ数年好調が続いた日本の労働市場は、今がピークかもしれない。これは朗報とはいえない。失業率が低下してもなお着実な賃金上昇はみられず、しかもわずか1カ月後には消費税率が8%から10%へ引き上げられるからだ。8月30日発表された7月の新規求人倍率は2.34倍と、再び前月から低下した。新規求人倍率が3カ月連続で低下したのは金融危機のさなかだった2009年以来。4月には2.48倍と、ほぼ過去最高の水準にあった。失業者数は1月、3月、5月に前年同月を上回ったが、これは9年ぶりのことだ。安倍晋三氏が首相に就任した2012年末以降、就業者数が300万人余り増加したことを踏まえれば、失業率の低下はやや鈍化すると見込まれそうだ。失業率は27年ぶり低水準の2.2%となっている。
日本の消費増税、好調な雇用に冷や水
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