「なんとなくお金のことが不安だ」
「若いうちにたくさん稼げるだろうか」
「どれだけ支出を切り詰めればいいんだろう」
「老後のことをどこまで考えればいいんだろう」…

そんな不安だらけのビジネスパーソンに向けて、新刊『投資家みたいに生きろ  将来の不安を打ち破る人生戦略』で投資家的な解決法を示した藤野英人氏。

約30年間、ファンドマネジャーとして第一線で活躍し、7000人以上もの経営者にインタビューし、個人や企業の「成長」を見極めてきた経験を生かし、「投資家の思考」を「日々の習慣」に落とし込む方法を伝授します。

「あらゆる情報はみんな平等。じゃあ、どこを見る…?」(『投資家みたいに生きろ』より) Photo: Adobe Stock

あなたは「見たいもの」だけを見ていた

藤野英人氏

投資家は、長期的に成長が見込める企業(経営者やその現場の人たち)に向けてお金を投じます。

しかし、なにも「特別な情報」を握っているわけではありません。あくまでみなさんと同じ情報の中で、日々、投資先を決めています。
ただ、同じ情報を見ていても、「視点」が異なります。アンテナを張って日常生活を送っていると言い換えていいかもしれません。

まず押さえておいてほしいのは、人は主観的な視点で物事を見るということです。人間は、自分に関心がないことは見えないようにできています。
スーツを買おうとしている男性は、街行く人のスーツが気になりはじめます。女性には目に入る化粧品の看板は、化粧をしない男性には見えません。

今から20数年前、総合ディスカウントストアのドン・キホーテが株式公開をしました。その当時は、多くのファンドマネジャーやアナリストが、ドン・キホーテに低評価を下していました。
なぜなら、その頃の流通担当のアナリストは、高級百貨店で買い物をするような裕福な環境で育った女性が多かったからです。
ドン・キホーテのようにごちゃごちゃして雑多な店づくりが理解できなかったでしょう。その結果、「業績は成長しているけど、いつか止まるだろう」と、偏見で判断していたのです。