ペットボトルに隠された「あるヒミツ」
ある時期に、ペットボトル飲料がガラッと変わった瞬間がありました。
「味」ではありません。「形」が変わったのです。
ペットボトルの形がスリムになったり、複雑な形状になったりして、ただ飲み物を飲むためだけでなく、持っているだけでおしゃれなアイテムに変わったのです。
これは、女性のライフスタイルに合わせて、スタイリッシュで高級感のある飲み物が手に取られるようになったからです。
「ああ、ただの飲み物か」と思っているだけでは、この変化には気づけません。
じゃあ、どうしてそれが可能になったのかというと、シールに秘密があります。
昔のペットボトルのシールは、糊でくっついていました。大きめのペットボトルにベタッと張り付いていただけでした。
それが今は、「シュリンクラベル」という技術によって、ラベルを縮ませてペットボトルにくっついています。すると、ペットボトルがどういう形であっても、よく付くのです。
このラベルを作っているのが、大阪にあるフジシールという企業です。シュリンクラベルの成功で、フジシールは東証一部に上場し、巨大企業になりました。
変化のウラには、こうした投資のチャンスも隠れています。
世の中のヒット商品にアンテナを立てれば、こうした企業を見つけられたり、あるいはビジネスチャンスを見つけることだって可能なのです。
あらゆるところにチャンスが転がっている
世の中にあるモノ・サービスの流れはすべてつながっています。流行を知ることはさまざまな商品やサービスのアイデアへと発展していきます。
私たちの暮らしている世界の中には、公開上場企業があふれています。
たとえば、電池を作っている会社、床材を作っている会社、イスの会社……と、周りを見るだけでもたくさんの上場企業があります。
多くの人は、こういうものに関心を持ちません。
「これって何だろう」「誰が作っているのだろう」「どういう仕組みなんだろう」と掘り下げて考えるクセがあると、実はあらゆるところにチャンスが転がっているのです。
変化を知る方法はいろいろあります。
本書でもさまざまな方法を紹介していますが、簡単なのは、家電量販店やコンビニを「定点観測すること」です。
「1週間に一度だけ立ち寄ってみる」など、習慣的に訪れることで、ちょっとした変化に敏感になります。今、何が売れて、何が流行っていて、どんな業界の話があるのか。店員さんに話を聞くのもアリだと思います。
そして、こうした日常の積み重ねが、投資家的には立派な財産となるのです。
そんな経験を、1つでも多く身につけてください。そして、日常の街歩きでも、その視点を意識してください。きっと、「変化=チャンス」に気づける人になれるはずです。