精神疾患の治療薬として幻覚作用のある物質を合法化する動きが広がっている。この新たな分野に目をつけ、ビジネスチャンスを見いだそうとする少数の起業家やベンチャーキャピタル(VC)投資家も存在する。その一方で、医療分野のベテラン投資家は、法律上の複雑な問題を考えるとこの市場に飛び込むのは時期尚早だと話す。「マジックマッシュルーム(幻覚性キノコ)」に含まれる幻覚成分「サイロシビン」は、オランダやポルトガルなどでは解禁されたが、米連邦法の下では依然違法だ。「投資対象が、同時に違法性を覆すことへの賭けでもあるとしたら、われわれは手が出せない」。米国の老舗VCベンロック・アソイエイツのパートナー、ブライアン・ロバーツ氏はこう語る。「だが生物学の全く新しい知見を活用し、最新研究を薬剤開発につなげるものであれば、われわれは絶対に投資する」
幻覚キノコで治療薬、入り交じる懐疑と期待
うつ病治療に有用な可能性もあるが、違法性から大手製薬会社は開発を敬遠
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