英国のデービッド・キャメロン元首相が欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票の実施を呼び掛けたのには、欧州を巡る保守党内の分断を解消する意図もあった。それから3年の間に2人の首相が登場。憲法の危機まで持ち上がった揚げ句、保守党内の葛藤は沸点に達している。ボリス・ジョンソン首相は3日、英国のEU離脱(ブレグジット)を延期する法案を巡り、造反して支持に回った保守党議員21人の除名を決めた。何十年も前から党内でくすぶってきた政治的危機の分岐点となった瞬間だ。除名された議員には保守党の重鎮も多く、元財務相2人のほか、ウィンストン・チャーチル元英首相の孫にあたるニコラス・ソームズ氏も含まれている。これらの議員は次回の選挙で立候補しても党の公認は得られない。