先取り貯金に失敗する人はどこに原因があるのでしょうか Photo:PIXTA
新聞や雑誌、ネット上などで、さまざまな貯蓄法や家計管理法が紹介されているなか、その1つの方法を信じて懸命に取り組んでいらっしゃる方々がたくさんいます。ただ、よいとされている方法も人によって、試しても効果がない場合も珍しくありません。といっても、それは向き、不向きがあるというよりも、やり方が間違っているケースがほとんどです。
広く推奨されている貯蓄法の1つに「先取り貯金」があります。これは、誰でも簡単にお金を貯められる方法としてすすめるＦＰも多いですし、私もよい方法だと思います。ですが、この先取り貯金もやり方を間違えてしまうと、全く貯蓄が増えない状態に陥りかねません。
うまくいかない最大の原因は、支出の把握ができていないことです。要するに、ただ先取り貯金をすればいいものではなく、きちんと家計管理ができていなければ、なかなかうまくいかないものなのです。
毎月8万円の先取り貯金をしても
全くお金が貯まらない40代会社員
私のもとへ家計相談に来た会社員のＤさん（40）も、毎月先取り貯金に励んでいるのに貯蓄が増えない状態に陥っていました。パートをしている奥さん（44）と小学3年生と6年生の2人のお子さんの4人家族です。
ご夫婦は10年かけて約420万円の貯蓄を作りましたが、この数年は全くお金が貯まっていません。先取り貯金をするとお金が貯まると聞いたので、Ｄさんは自動的に先取り貯金ができる仕組みを調べて始めましたが、なかなか貯まらないのだといいます。
