また、特に高齢者の場合、かつての金利の記憶があるので、3%前後の利回りでも「それほど欲張っていない」と思うケースがある。そして、実際に3%前後の利回りを目指すとうたう退職者向けの投資信託があったりする(奇数月分配で、信託報酬は約1%)。信託報酬1%の投資信託で税引き後の手取りの分配金を3%払うためには、運用の中身は4.75%で回っていなければならない。仮に内外の株式の期待リターンを5%とすると、95%の株式組み入れ率が必要な計算となる。「小さなリスク」ではないことは明白だろう。

 もちろん、外貨建ての生命保険や外貨預金、外国債券のような為替リスクを取る対象の利回りにも注意が必要だし、マンション投資などの不動産投資でも投資利回りが借入金利よりもほんの何%かいいという条件を魅力的に思う向きもある。いずれも、セールスマンが勧めるようなものはリスクに見合う利回りが期待できないものがほとんどなので、気を付けたい。

 ある意味では、商品の設計よりもセールスマンの腕で売れているのだろうが、セールスに引き込まれないこととともに、低金利・マイナス金利に焦らないことが大切だ。

運用商品の「種類」ではなく
リスクは投資額でコントロールする

 低リスクな運用対象の利回りがゼロからマイナスに沈む一方で、例えば東京証券取引所第1部の平均でも2%を超える株式の利回りが魅力的に見えて、株式や株式に投資する投資信託に手を出したいと思う判断は分からなくない。

 最近は、一部の個人投資家の間で、配当利回りの高い株式に人気が集まっているようだ。

 現金収入として「配当利回り」にこだわるのではなく、割安で不人気な株式を探すヒントとして配当利回りの高い株式に投資するのは、悪くない試みだろう(ただし、適切な分散投資には注意とコツが必要だ)。