弁護側は「因果関係を広く取り(危険運転の)成立を認めた判決に納得がいかない。公共性が高い事例で因果関係がどこまで認められるべきか、上級審で明らかにしてほしい」として控訴。

 その上で「危険運転の処罰範囲を明確にするため法改正を含む立法機関の対応を求める」とする異例のコメントも出していた。

 この事件を巡っては、検察・弁護側の双方が法的な不備を指摘していたのだ。

永田町もようやく重い腰を上げる

 あの映像は、何か出来損ないのバイオレンス映画でみられるワンシーンのようで、現実感がなかった。読者の方々も同じではないだろうか。

 茨城県守谷市の常磐自動車道であおり運転をした揚げ句、車線を塞いで乗用車を無理やり停車させ、男性を殴ってけがをさせた事件。

 茨城県警は8月18日、傷害容疑で宮崎文夫容疑者(43)を逮捕した。逮捕容疑は同10日午前6時15分ごろ、常磐道上り線で男性(24)に「殺すぞ」などと怒鳴りながら顔を複数回にわたって殴り、けがをさせた疑い(今月8日、水戸地検は処分保留)。

 あおり運転についても同県警は同8日、車間距離の保持を定めた道路交通法違反や悪質なあおり運転に適用される暴行容疑ではなく、より罰則が重い強要容疑で再逮捕した。

 再逮捕容疑は8月10日早朝、数キロにわたって男性の車に蛇行や割り込みの進路妨害や急ブレーキを繰り返し、常磐道上り線上に無理やり停車させた疑い。

 道交法や暴行罪は罰金刑の規定はあるが、強要罪は懲役刑(3年以下の懲役)しかない。過去にあおり運転に強要罪を適用した事例を調べたが、該当したケースは見つからず、異例の措置といえるだろう。

 この事件は夏休み・お盆時期でテレビが「ネタ枯れ」だったこともあり、ワイドショーは連日このネタ一色だった。

 暴行の様子を撮影していた「ガラケー女」こと、交際相手の喜本奈津子被告(51)=犯人隠避罪で罰金30万円の略式命令=もキャラが立っていた。逮捕の際の「自首します!」の茶番劇も、世間の失笑を買った。

 さらにあきれるのが、宮崎容疑者の供述だ。

「力を込めて殴った」「やり過ぎたと反省している」。殴ったこと自体は悪いと思っておらず、逮捕される事態になるほど“やり過ぎてしまった”ことを後悔しているだけなのだ。