痴漢に悩む母娘が考案した
「痴漢抑止カード」

 そんななか、注目を集めているのが、痴漢を未然に防ぐ「痴漢抑止バッジ」。痴漢抑止バッジを制作している痴漢抑止活動センター代表の松永弥生氏は、バッジ発案のきっかけをこう話す。

痴漢に悩む母娘が考案した「痴漢抑止カード」。バッジに比べて大きいのが特徴だ。

「私の友人の娘さんは高校に入学後、毎日のように痴漢被害に遭っていました。彼女は怖くて声も出ず、泣きながら登校したこともあったそうです。警察の指導にしたがって勇気を出して声をあげても周りの人は誰も助けてくれない…あらゆる対策を試した末に娘さんの発案で『痴漢抑止カード』を作ってバッグに装着。カードを身につけて以来、彼女は痴漢されなくなったのです」(痴漢抑止活動センター代表・松永弥生氏)

 手作りのカードは「痴漢は犯罪です 私は泣き寝入りしません!」という文字とイラストが描かれた簡略なもの。松永氏は「一枚のカードがもたらす効果に驚き、多くの人に知ってもらいたいと考えました」と、振り返る。

「同事に、カードのデザインが直接的だったので、多くの女子高生が持つにはハードルが高そう、という印象を受けました。そこで、考案者の友人に『カードを缶バッジにしたら、もっとつけやすくなる』という提案をし、試作品を作りました」

 実際に試作バッジを身に着けて通学をしてもらったところ、カードと同様の効果が得られたという。その後、松永氏は痴漢抑止バッジの普及を目的とした「痴漢抑止バッジプロジェクト」を発足した。

「2015年11 月にバッジのデザインコンテストを開催し、同時にクラウドファンディングでの資金調達も開始しました。結果、443作品のデザイン案が届き、クラウドファンディングの支援金も目標金額の200%を達成。女性や支援者からは『高校生の娘が心配なので、バッジをつけさせたい』など切実な意見が多く、励みになりましたね」(松永氏)