欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁は12日、ドイツ政府に対し、財政支出の拡大を通じて低迷するユーロ圏経済を後押しするよう改めて求めた。だがドイツ政府はこれに反応せず、現地メディアや金融業界からはドラギ氏を批判する声が上がった。ドイツ政府は国内経済がリセッション(景気後退)入りする恐れがあるにもかかわらず、緊縮財政路線の撤回にはほとんど関心を示していない。国際機関はドイツ政府に財政支出で国内需要を喚起するよう求めているが、同国政府は財政黒字と高い税金に固執してきた。2019年に入り、長年健全だったドイツ経済にリセッション入りの兆候が出てきたため、双方の綱引きが激しさを増している。