いま、永田町では、2羽のハトが暴れている。言うまでもなく、一羽は、新しく民主党の代表になった鳩山由紀夫氏、もう一羽は、その弟の鳩山邦夫総務大臣だ。兄ハトの鳩山代表がこう語っている。
〈「ハトの乱」という発言ですが、これは、私が正攻法のハト、弟が自民党の中で撹乱しているハトという意味です。私の方は、当然のことながら、野党第1党の党首として、麻生内閣を退陣に追い込むと。総選挙で勝利に導くためのハトだと、そう思っております。
一方のハトの方は、むしろ閣内不一致を広げているためのハトであると。まあ、自分は「正義」だということでがんばっておるようでありますが、いずれにしても早く結論を出さなければ私は自民党が持たないのではないか、あるいは、内閣が持たないんじゃないかと感じています〉(6月8日/鳩山代表ぶら下がり会見/民主党本部)
野党も鳩山大臣に声援
真の敵は自民党内に
日本郵政の社長人事を巡る対立が激化している。きのう(6月9日)も、参議院総務委員会の集中審議で、鳩山総務大臣と西川社長の直接対決があった。
社長の責任を問う鳩山大臣に対して、西川氏は「社長をいったん引き受けた以上、民営化の土台をしっかり築くことが与えられた責務と考え、これからはしっかりやる」と反論し、自ら辞任の考えがないことを改めて表明した。
だが、西川社長の立場はどうにも分が悪いようだ。「かんぽの宿」の不透明な入札など、日本郵政に対する国民からの風当たりは強いままである。実際、総務委員会でも、民主党や国民新党などの野党議員が、麻生内閣の一員である鳩山大臣にしきりに声援を送る始末である。
当の鳩山大臣も、野党を味方につけて気をよくしたのだろう、ますます西川氏への批判を強め、自らに「正義」があることを強調していた。
「政治家になって、これほど共産党と意見が合ったことはなかった」(鳩山総務大臣)。
共産党まで味方につけた弟ハトだが、むしろ真の敵は自民党内にいるようだ。