成田のスーパー銭湯が開業、機内食工場の意外な転身視察に来たあるLCC首脳が「うちの飛行機の映像を流したい」と絶賛したという Photo by R.Y.

 もっとも、湯楽城を楽しむポイントは、ワールドワイドな“ごった煮”感かもしれない。至るところに露崎会長のアイデアが体現され、ロビーやトイレは香港の老舗高級ホテルのような重厚なデザインだったり、内湯に中国にあるような赤い門があったり、和風なメーンフロアの天井にはプロジェクションマッピングで世界各国の映像が流れたりしている。洗練された統一感は、見当たらない。

 会長自ら中国から建築材料を輸入するなど、こだわった結果、総投資額は約20億円。集客目標は1日1500人。成田空港が近くにあるとはいえ、商圏を考えると、そうとうチャレンジングな数字である。

開業直後に停電で営業停止
復旧後は被災者に無料開放

Photo by R.Y.被災者に無料開放した12日は1400人超が来場した 

 ラディソン成田については買収後、シーエイチアイが培ってきたインバウンド集客を駆使し、以前は6~7割ほどだった稼働率を9割に引き上げた。同ホテル(客室数490)はデルタクルー(乗務員)の常宿として最盛期は300室ほど使われていたが、16年以降は100室ほどに減っている。デルタの成田撤退はホテル経営にとって大打撃だが、すでに「豪州系など他の航空会社に営業をかけていて、収益を維持していく」(関係者)算段だ。

 湯楽城はこの9月8日にグランドオープンした。その矢先、台風15号が首都圏を襲い、停電により営業を休止した。電力が復旧した11日は午後4時から9時まで被災者に向けて無料解放し、800人超が来場した。12日、13日は午前11時から同様に無料開放し、12日は1400人超が来場した。「訪日客だけでなく、まずは地域の皆さんに知っていただき、台風で疲れた心身を癒して帰ってもらいたい」と関係者。まさに嵐の中のスタートとなった。

 同じ商機を睨んだライバルが現れてもいる。成田空港から車で5分ほどの距離に、「成田空港温泉 空の湯」が12月にオープンする予定だ。規模は湯楽城より小さいものの、地下1000mから掘った源泉かけ流し天然温泉がウリ。空港近くのスーパー銭湯バトルがアツくなりそうだ。