ネット上の情報を信じて他人を誹謗中傷すると、無実の人を傷つけてしまう可能性があります。
ネット上の情報を信じて他人を誹謗中傷すると、無実の人を傷つけてしまう可能性があります (写真はイメージです) Photo:PIXTA

ネットで頻繁に行われる名誉毀損(きそん)。最近では、あおり運転傷害事件の関係者であるとデマを拡散された女性のケースが大きな話題になった。あなたも、いつ名誉毀損の被害者あるいは加害者になるかわからない。名誉毀損の賠償額が低いといわれる日本で、現在の「ネット上での名誉毀損」事情は。(取材・文/ITジャーナリスト 高橋暁子)

 8月10日、常磐自動車道で悪質なあおり運転傷害事件が起きた。事件をとらえた車載カメラ映像では、容疑者の男が被害者の男性に対してあおり運転を行い数回殴る様子や、男の車に同乗していた女が被害者を携帯電話(ガラケー)で撮影する姿が確認できる。

 この「ガラケー女」として、無実の女性がインターネット上で実名でさらされてしまったことをご存じだろうか。

 デマの根拠は、暴行事件を携帯電話で撮影していた女のサングラスをつけた服装や顔が、女性がInstagramで公開していたものと似ていたこと。もう1つ、容疑者の男が女性のアカウントをフォローしていたことだった。デマを信じたユーザーから、女性のInstagramにも誹謗(ひぼう)中傷が相次いだ。

 しかし別の女が逮捕され、女性は完全に無実ということが明らかになっている。これを受けて、デマを流された女性は代理人弁護士と会見を開き、デマ情報を発信したり拡散したりした人々に法的措置を検討しているとした。

 なぜインターネットでデマが広がるのか。また、デマで被害を受けた場合、発信・拡散した相手に対して法的措置は可能なのだろうか。

デマを拡散するSNSと
トレンドブログ

 デマが拡散し、無実の人に誹謗中傷が集まった例は今回だけではない。東名高速で2017年6月、あおり運転を受けて停車したワゴン車がトラックに追突され、夫婦が死亡する事故が起きた。建設作業員の男が、ワゴン車の進路をふさいで停止させ、追突事故を引き起こしたとして逮捕された。