今年4月から施行された働き方改革関連法によって労働基準法が一部改正になり、有給休暇が10日以上与えられる労働者には、企業側が1年間に有給休暇を5日以上取得させることが義務付けられた。
これまで日本では、世界的にも有給休暇の取得率が低いことが大きく問題視されてきた。厚生労働省の調査によると、平成29年に企業が付与した年次有給休暇取得日数は1人平均18.2日。そのうち取得した日数は平均9.3日にとどまっている。
企業規模別に見ると、「1000人以上」が年間11.2日に対し、「30~99人」が7.7日と小規模になるほど取得率は低下。また産業別で見ると、宿泊業・飲食サービス業では取得率が5.2日と著しく低くなっている。
こうしたなかで始まった有給休暇取得の義務化だが、現在、各都道府県において有給休暇の取得状況はどうなっているのか。
一般社団法人ストレスオフ・アライアンスは、全国の男女14万人(男女各7万人、20~69歳)を対象に、大規模インターネット調査『ココロの体力測定2019』を実施。その中で、有給休暇に関する詳細な調査を行っている。
そこで今回は「年間10日以上の有給休暇取得率が高い都道府県ランキング」を見ていこう。
※集計期間は2019年3月6日~18日。調査機関は株式会社メディプラス研究所。
「有給休暇の取得率が高い都道府県」ランキング
1位は男性が神奈川県、女性は東京都
「年間10日以上の有給休暇取得率が高い都道府県ランキング【男性版】」1位は神奈川県で、年間10日以上の有給休暇取得率は37.2%だった。2位は滋賀県(37.1%)、3位には三重県(36.2%)が続いている。
取得率が最も低かったのは徳島県(22.6%)で、1位の神奈川県とは14.6ポイントも差があった。
「年間10日以上の有給休暇取得率が高い都道府県ランキング【女性版】」1位は、東京都となった。年間10日以上の有給休暇取得率は39.4%と約4割に上った。また、2位には群馬県(38.0%)、3位は千葉県(36.1%)がランクインした。
対して取得率が最も低かったのは鹿児島県(20.8%)で、トップの東京都とは18.6ポイントもの違いがあった。