ドナルド・トランプ米大統領は近年まれに見る戦略的な大ばくちを打っている。中東での「終わりのない」戦争に米国は二度と関わらないとの公約を守りつつ、イランに強い圧力を掛けて米国の要求を受け入れさせられることに賭けているのだ。これまでのところ、このギャンブルはうまくいっており、大統領を批判する人々を驚かせている。しかし、この国際政治のポーカーゲームにおける賭け金は次第に大きくなっており、負けた場合のコストも同時に膨らんでいる。今週は世界の指導者が国連総会で集結する中、このギャンブルを背景にさまざまな動きが展開することになる。これに先駆け、イランが米国を挑発して軍事的対立を引き起こそうとする兆候が多く見られた。これは周辺諸国の指導者が慌てて解決に乗り出さなければならないような国際的危機を生み出し、イランが独力で引き出せる条件より有利な条件で事態を打開することを狙ったものだ。
イラン巡るトランプ氏の賭け、リスク高まる
イランは圧力に屈するか、それとも反撃に出るか
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