「売れない」――このことに苦労しているセールスパーソンは数えきれません。その一方で、確実に売上を伸ばし、常に上位の成績を誇っている人がいます。トップセールスと呼ばれる人たちです。営業に関連する本の多くは、著者の実績に紐づいた方法ですが、『3万5000人を指導してわかった質問型営業でトップセールスになる絶対法則』は、「トップセールスの共通点」を見出し、「トップセールスになる絶対法則」を伝えるものです。属人的な内容を「誰でも使える技術」としてまとめました。
本当にすごい人たちはいったい何をやっているのか? 極力わかりやすくお伝えすることに成功しました。AIやサブスクリプションなど、セールスパーソンを介さない営業手法は開発されていますが、セールスパーソンの役割は減るどころか、ますます重要性を増しています。ぜひ、最強の営業力を身につけて、営業を「楽しくうれしく感動的なもの」にしていきましょう。
ぜひとも必要なので『買いなさい』、
いや、『売ってあげます!』
「売るのではなく、買ってもらう」
この言葉については、前回でも紹介しました。売るのは「セールスパーソン」、買うのは「お客様」に違いありませんが、「お客様が欲しくて買うから、セールスパーソンが売る」という関係性でセールスを完結することです。
一般のセールスパーソンには、言葉の意味はわかっていても、これが実際にどのようなことなのかがわからないでしょう。
しかし、「売るのではなく、買ってもらう」がセールスの極意なのです。この14文字に込められた意味を説明するには、セールスにおける理論と実現するための方法がいるのです。これをわかっているのが、トップセールスであることは間違いありません。
今回はさらにその上を目指します。
「買ってもらうのではなく、売ってあげる」
セールスパーソンが「売ってあげる」とは、どういうことでしょうか?
これは、「ぜひとも必要なので『買いなさい』、いや、『売ってあげます!』」ということです。
「お客様の状況を聞き、どのようなことを欲しているのか?」「欲していることを実現するために、何が問題なのか?」「問題をどうすればいいのか?」と、話し合っている間に、お客様はセールスパーソンの提供する商品が必要であるとわかり始めます。
「商品によって、問題は間違いなく解決され、望んでいることを手にできる」とわかれば、お客様が買うことは決定します。そのときのセールスパーソンの気持ちは、「売ってあげるので、早く活用してください」なのです。
トップセールスは、この感覚にたどり着くのです。
では、どのようにたどり着くのでしょうか。
お客様との面会で、セールスパーソンは、会話に没入していくのです。セールスパーソンが質問をし、それに対してお客様は答えます。
お客様の状況が明確なイメージになり、お客様の気持ちまで手に取るようにわかりだします。
そうすると、「お客様には、私の商品をぜひとも使ってもらうべきだ!」と思えてきます。「いや、このお客様には絶対必要なのだ!」となったときに、「買ってもらうのではなく、売ってあげる」状態となるのです。「ぜひ使っていただくほうがいいでしょう!
そのほうが絶対にお客様のためです!」という心境になるのです。
それこそが、「買ってもらうのではなく、売ってあげる」の言葉に込められたものなのです。
ただ、この境地にたどり着くのは、トップセールスでさえも簡単ではありません。専門家として、商品を熟知していないといけないからです。
もちろん、お客様に対して、対等か、それ以上の立ち位置でセールスパーソンは接する必要があります。
言葉通りに、「ぜひとも必要なので『買いなさい』、いや、『売ってあげます!』」とお客様に面と向かって言うべきではないでしょう。「ぜひ使っていただくほうがいいでしょう! そのほうが絶対にお客様のためです!」というくらいにとどめておくことです。
このレベルまでたどり着くことができれば、本当の意味で、お客様に寄り添い、お客様の気持ちまでも聞き切ることができた証拠だと言えるでしょう。
今日の格言
真のトップセールスは
「売る」から「買ってもらう」へ
そして、「売ってあげる」の境地に立っている