「恋愛依存と考えられる人は、外来を訪れる方の中にも時々見られます。次々に恋愛対象を変えたり、一度に複数の恋愛対象に依存したりするケースですね。やはりそういった方は人間関係のトラブルも多くなります」

 さらに過熱すると、先述したように不倫を繰り返したり、ストーカーになったりするケースもあるのだ。

「複数の異性関係をうまく維持している方もいますが、時にはそれが破綻して大騒ぎになることもあります。異性関係に巻き込まれやすい方は、注意が必要ですね」

なぜ依存に発展するのか
カギとなる「ドパミン」

 恋愛依存に悩む人のエピソードとして、梅谷氏はこんな例を紹介する。

「双極性障害、いわゆる躁うつ病で通院していた方がいました。恋愛に事欠かず、ある人を好きになっては破局、またすぐ別の人を好きになっては……というサイクルを繰り返していました。その方は『1人でいるとさみしくて仕方ない』と言います。小さい頃、お母さんの愛情を感じなかったと話しており、その代わりの『愛』をいつも年上の男性に求めてしまうとのことでした」

 このエピソードに限らず、恋愛依存になりやすいタイプの人は、強い「さみしさ」や「不安」を根底に抱えていることが多いという。

「あくまで臨床現場での印象ですが、恋愛依存の方では、自己肯定感の欠如や強いネガティブな思考がよく見られます。普通の人間関係をうまく築けない人も多いですね」

 こういった根源的なさみしさや不安を訴えるのは、「アルコール依存」などとも共通するという。

「さみしさや不安が形成される条件として、生まれながらに対人関係の構築が苦手であったり、両親の暴力や愛情欠如、周囲のいじめで自己評価が低下したり、信頼していた人からの裏切りなどで強い精神的ストレスを受けたケースなどが考えられます」

 それにしても、なぜ恋愛という感情に依存してしまうのだろうか。実は、体の仕組みを考えると、そこには一定の論理が成り立つという。この話に関わるのが「ドパミン(ドーパミン)」という脳内物質だ。