誰しも多かれ少なかれ、見た目へのコンプレックスはあるだろう。だが、ごくふつう、あるいは人並み以上の容姿であるにもかかわらず、日常生活に支障をきたすほど劣等感に苦しんでいるとしたら、治療が必要かもしれない。自撮り画像を加工するアプリ、美容整形技術の進化など、あらたなイノベーションから引き起こされる “依存”の実態とは――。「美」に対する異常な執着が生み出す病について、青山渋谷メディカルクリニック名誉院長で精神科医の鍋田恭孝氏に聞いた。
面長顔を丸顔にしたい…
整形や自撮りにハマる人々
40代の妻は家事もろくにせず、暇さえあれば美容家電で肌のお手入れをしています。いい加減あきれていたところ、たまたまクレジットカードの明細書を見つけ、美容整形クリニックに多額のお金をつぎ込んでいることがわかりました。問い詰めると、結果に納得できていないし、すでに高額のローンも組んでしまったとのこと。激しい口論になりましたが、その後も妻のクリニック通いは続いています…。