なぜこうすることが正解なのか、順番に説明していきましょう。今回のポイント還元策には、おおむね3つの「狙い」があります。

 1つ目の狙いは、キャッシュレス決済の普及。アメリカや中国と比べて日本は現金で支払う人が多いですが、これを他の先進国並みにキャッシュレス化するため、消費者がキャッシュレスで支払えばポイント還元されるようにしようというものです。

 2つ目の狙いは中小企業の振興です。大資本のスーパーやチェーン店に経営を圧迫される中小の店舗に、有利な還元率を提供することで、小さいお店の需要を増やそうというのものです。

色々な目的を1つの制度に
詰め込んだせいで滅茶苦茶に

 そして3つ目の狙いが、消費増税後の消費の冷え込みを防ごうというものです。こうした「3つの狙い」を政府が1つの制度に詰め込もうとしたせいで、今回のポイント還元策は内容がぐちゃぐちゃになって、わかりにくくなっているわけです。

 細かいことを言い出すと、「チェーン店ではない町の惣菜屋さんでキャッシュレスでコロッケを買うと消費税率が実質3%(軽減税率分2%とポイント還元分最大5%が引かれるから)とめちゃお得になるけれど、大企業の直営店であるデニーズでコロッケを食べると、消費税率は10%のままで還元策は一切なし」といった、わかりにくい仕組みになっているのです。

 さらにそこで、「食品を買うのに、大手スーパーとコンビニと町の小さなお店と、どこがそもそもお得なのか」ということを冷静に考えてみたら、数%の還元額の違いなら「やっぱりいつものスーパーで買ったほうが支払い額は安かった」といった話になるわけです。だったら、消費税が安いかどうかでお店を変えるのではなく、これまでと同じお店で買い物をするほうがいいというのが私の考えです。