貯蓄のペースを上げる秘訣は、ご夫婦別会計ではなく、合算して管理することです。奥様の支出状況がわからないので推測になりますが、合算した月の収入は38万9743円。Yさんの貯蓄(投信含む)を除く毎月の支出が26万4684円(年間払い分の固定費貯蓄を含む)です。奥様はスマホ代の1万円、生命保険代、食事代や国民健康保険料を負担されているので、合算して8万5000円の支出と仮定します。Yさんの支出と合計すると34万9684円となり、2人の収入からの差額である4万59円が貯蓄できることになります。それなりの金額に思えますが、ご夫婦の収入に対する貯蓄率は10.27%にすぎません。

 収入が増えて、かつ安定し、またお子さんがいないことを考慮すれば、今が最大の貯め時です。酷かもしれませんが、少なくとも月収の20%程度は貯蓄に回したいところです。20%を貯蓄に回した場合、毎月の貯蓄額は7万7948円、切りよく7万8000円とすれば年間93万6000円。Yさんが60歳になるまでに1123万2000円が貯まる計算になります。老後資金2000万円には到底届かない金額ですが、少なくともこの金額前後は貯めるという気概で望んでもらいたいものです。

 また、頑張って貯蓄を行うと同時に、健康で長く働くことがYさん夫婦の老後の備えになります。老後の備えとして、奥様も厚生年金に加入できるような働き方に変えるのも1つの方法です。奥様が厚生年金に変われば、年金額が大きく代わり老後の備えになるからです。

実家を売って兄弟で3等分
必ずしも合理的な方法が正解ではない

 最後に引きこもられている弟さんの件ですが「家を売って3人で分けて、1人暮らしをしてもらい、生活費がなくなったら生活保護申請を手伝おうと思っています」と書かれているとおり、実家を売って現金化し、それを兄弟で分けるのは確かに合理的な方法です。

 弟さんがどのような状況かは定かではありませんが、もし家を売った場合、弟さんが住まいを借り、1人暮らしをすることはできるのでしょうか?実際の相続まではかなりの時間があるため、現段階で最終的な判断をする必要はありません。ただ、「経済合理性だけで決めない」ことの重要性を、頭の片隅に入れておいた方がよい気がしてなりません。

(ファイナンシャルプランナー 深野康彦)