トランプ氏弾劾調査、民主大統領候補の争点混乱もPhoto:Reuters

 2020年の米大統領選の予備選で民主党の指名獲得を競う候補者は、選挙運動の争点がドナルド・トランプ大統領の弾劾調査にかき消されないようにするという難題に直面している。ウクライナ問題の中心人物であるジョー・バイデン前副大統領となると、なおさらだろう。

 民主党予備選で優位に立つ候補者は、有権者が最も懸念している政策課題を討論の中心に据えたいと考えていた。だが7月にトランプ氏がウクライナ大統領に電話でバイデン候補の調査を要請したとされる問題を巡り、事態は急展開している。

 民主党のナンシー・ペロシ下院議長は24日、弾劾調査の実施を発表した。だがバイデン氏はその後も医療問題を中心に選挙活動を行っている。10月2日のラスベガスでのイベントを控え、銃による暴力への対策も強調する構えだ。

 バイデン氏は26日のカリフォルニア州サンマリノでの資金集めイベントでは、国民にとって最も大切な課題から注意を奪ってしまったとして、トランプ氏を批判した。バイデン氏は、トランプ氏が「選挙に勝つために外国の支援を得たがっている」とし、この騒動の契機になった内部告発状の一部を声高に読み上げた。

 バイデン陣営は16年の大統領選でヒラリー・クリントン候補を阻んだのと同じような落とし穴にはまらないことを誓い、トランプ氏に積極的に反論している。