全米自動車労働組合(UAW)がゼネラル・モーターズ(GM)に対して行っているストは、9月30日で3週間目に入った。オハイオ州ローズタウンは既にその戦場だ。いずれ、米中バッテリー供給を巡る地政学的戦いの象徴になるかもしれない。スト前日にGMがUAWに持ち掛けた案の中で最も意外だった内容の1つは、遊休中のGMのローズタウン組立工場近くに電池セル工場を建設する計画だ。実現すれば、デトロイトの自動車メーカーによる初の電池セル投資となる。この分野は今のところ、韓国のLG化学(GMの現在のバッテリーサプライヤー)や中国の寧徳時代新能源科技(CATL)といった東アジア企業がほぼ独占している。現実には、GMが単独で資本を投じる公算は小さい。同社にはセル製造の専門技術がなく、技術力のある提携先が必要だからだ。