情報漏えいは、売り手・買い手双方とも特に留意しなければならない。売却交渉をしている事実関係や、取引の条件などが、仮に第三者に漏れてしまうようなことがあれば、それまで築いてきた信頼関係は一気に崩れ、即失敗事例の仲間入りということになる。

(2)会社の私物化
・役職員の処遇
・決算操作
・危機的な財務状況

 いわゆる“ガバナンス”については、中小企業の泣きどころである。会社の預金口座を「お財布代わり」にしていないか、家族などを含めた役員の給与をお手盛りで決めていないか…など、本格的な終活を考える前に、まずは会社の数字を、外部に出して恥ずかしくないような状態にすることは欠かせない。

 決算の数字を“工夫して”節税(というより脱税?)をすることも、かなりネガティブに受け止められるし、財務面で「経営者栄えて会社枯る」の状態であるとすれば、終活の成功はおぼつかない。

(3)会社資産に関する要因
・現預金の多さ
・多大な不動産価値
・譲渡対価の受け取り方法

 もしものときに備えて多額の現金が会社の預金口座に眠っていたり、事業の価値以上に会社保有の不動産の時価が高かったりする場合にも、従業員や製品・商流などで構成される“会社そのもの”を譲渡することは難しくなってしまう。

 また売り手・買い手双方で納得する譲渡価格に落ち着いたとしても、有利な税金支払いのやり方にこだわるあまり、合意した内容が白紙に戻ってしまうこともある。何事も、欲をかきすぎるといい結果はついてこない。