アイロンいらずのシャツやこすらなくても汚れが落ちる浴槽洗剤など、家事の負担を減らす商品がヒットしている。共働き世帯の増加とともに、「超時短家事」、さらには「ゼロ家事」ニーズが高まっているからだ。

シワにならないシャツと
パンツでアイロンいらず

ユニクロの「スーパーノンアイロンシャツ」ユニクロのスーパーノンアイロンシャツ。筆者も使ってみたが、実際にシワが出にくく、洗濯後にアイロンいらずでそのまま着ることができた

 共働き世帯は伸び続け、平成29年には1188万世帯と、男性雇用者+専業主婦世帯の641万世帯を大きく上回っている。こうした中、大きな課題が、夫の家事の参加が少ないことだ。日本では、6歳未満の子どもを持つ夫が家事に費やす時間は1日当たり34分で、妻の229分に遠く及ばない。米国の110分、英国の106分、ドイツの121分など他の先進国に比べても極めて低水準だ。

 状況の大幅な改善が期待できない中、解決策の一つは、家事時間そのものを減らす、できれば“なくしてしまう”ことだろう。そんな消費者の声に応えるべく、いわば「超時短家事」「ゼロ家事」を実現する商品が、「衣食住」それぞれのシーンで登場し、共働き夫婦の福音となっている。

 まずは「衣」のシーンで注目を集めているのが、洗濯後、干しておくだけでシワが伸びて乾き、アイロンを掛けなくてもそのまま着ることができる、ノンアイロン系の衣服だ。ユニクロが販売している「スーパーノンアイロンシャツ」はその代表格。以前は3990円(税抜き)で販売してきたが、2018年春に生地の質感を向上させると同時に2990円(同)にプライスダウンし、より買い求めやすくした。

 シワを寄りにくくするためには、主に「生地を肉厚にする」「糸にポリエステルを混ぜる」の2通りがある。だが、肉厚にすればごわつき、ポリエステルを混合させるとテカってしまい、肌触りも不自然になりがち。そこで、ユニクロでは、80番手という細い糸を使って、生地の軽やかさや上質さを保持。さらに、特殊加工を施し、綿100%の自然な肌触りとシワの出にくさを両立させた。「ポリエステルを入れた他社のノンアイロンシャツに比べ、綿100%であることがスーパーノンアイロンシャツの優位点であり人気の秘訣」と、商品本部の担当者は話す。

 筆者もユニクロのスーパーノンアイロンシャツを実際に洗って乾かしてみたが、全体的にシワは見られず、そのまま着ても違和感のないレベルだった。「出張時に洗濯して部屋干ししておけば、翌日はそのまま着ることができるので便利、という声も数多く届いている」(担当者)。一方、ユニクロでは、ビジネスに使えるパンツでも、洗濯後も乾きやすくそのままはける「感動パンツ」(税抜き3990円)を販売。スーパーノンアイロンシャツと組み合わせて使えば、アイロンという面倒な家事を一掃できる。