「売れない」――このことに苦労しているセールスパーソンは数えきれません。その一方で、確実に売上を伸ばし、常に上位の成績を誇っている人がいます。トップセールスと呼ばれる人たちです。営業に関連する本の多くは、著者の実績に紐づいた方法ですが、『3万5000人を指導してわかった質問型営業でトップセールスになる絶対法則』は、「トップセールスの共通点」を見出し、「トップセールスになる絶対法則」を伝えるものです。属人的な内容を「誰でも使える技術」としてまとめました。
本当にすごい人たちはいったい何をやっているのか? 極力わかりやすくお伝えすることに成功しました。AIやサブスクリプションなど、セールスパーソンを介さない営業手法は開発されていますが、セールスパーソンの役割は減るどころか、ますます重要性を増しています。ぜひ、最強の営業力を身につけて、営業を「楽しくうれしく感動的なもの」にしていきましょう。今回からは、お客様の「見極め」について紹介します。
「欲求の有無」「問題解決への意欲」「投資への決意」を
問いを通して確認する
トップセールスは、ムダなことはしません。
「売れる人にしか話をしない」のです。
しかし、多くのセールスパーソンは、「話を聞いてくれる人を見つける」ことから始め
ます。
「話を聞いてもらえれば、売れるかもしれない」と思うからです。
残念ながら、この考え方が大間違い。私は決まって、こう言います。
「心配しなくても、売れないから」
では、トップセールスはどのように「売れる人」を見極めるのか。彼らは3つの問いを
投げかけることで、判断しているのです。
3つの問いとは、
1.「そもそも欲求を持っているか?」
2.「自分が問題を解決したいと思っているか?」
3.「そのための投資をする用意はあるか?」
です。
「欲求の有無」「問題解決への意欲」「投資への決意」、これらを知るための問いなのです。
1.「そもそも欲求を持っているか?」
具体的には、「どのようにしたいのですか?」「何が問題ですか?」と聞きます。
「解決したい」「なんとかしたい」「○○なんだ」「困っているんだ」と、お客様が自ら具体的に語ったり、現状の問題を解決できず悩んでいたりしたら、次の質問に移ります。
2.「自分が問題を解決したいと思っているか?」
次に、「それを解決すれば、どのようになりますか?」と聞き、「解決したいと思っておられるのですか?」と尋ねるのです。
「助かる」「これが解決すれば、できることが増えてくる」「前進する」「業績が上がる」など、プラスの発言があるとします。このような場合は、頭の中で自らの状況がよくなっている将来を描いており、欲求が高まっているはずです。
3.「そのための投資をする用意はあるか?」
最後に、「そのための投資については、考えておられますか?」と聞きます。
「かかるものはしようがない」「かかってもやりたい」「ある程度は用意している」「もちろん」という回答が出てくれば、もう迷う必要はありません。
「それがないんだよ」と言われたら、「ある程度の用意が必要ですね」とはっきり言いま
す。
「本当にそうなるなら、やらないとね」と返してくれるのを待つのです。
トップセールスから、「時期をあらためたらどうですか?」とは絶対に言いません。な
ぜなら、時期をあらためても同じ返答になることを知っているからです。
トップセールスは、「お客様自身がどのような気持ちでいるのか」を聞くのです。
買うのはお客様である以上、お客様にその気持ちがあるのか否かが重要なポイント。買う気のない人にいくら話をしても買われることはないのです。
セールスパーソンが話し上手であれば、お客様は買ってくれると勘違いしている人もいますが、それは絶対にありません。興味を持ってくれたり、こちらに気持ちが向いたりすることはあるかもしれませんが、たいてい、そこ止まりです。
トップセールスになるためには、「見込みがあるかどうか」を見極めることが何よりも重要であり、それは3つの問いによって確かめられます。
今日の格言
トップセールスは
売れる人にしか話をしない。
お客様の気持ちを確認するために
3つの問いで見極める