2019年7月14日、一番恐れていた、北キブ州の首都・ゴマ市での症例が発見された。第1例は牧師さんで、北キブ州の流行地であるブテンボ市で感染者に接触したようで、バスでゴマ市に入り発症、エボラ治療センターに収容されて治療を受けたものの死亡した。

 バスの18人の同乗者は予防接種を受け、その後、彼らの中からのエボラの発生はなかったものの、ゴマ市での症例の発見は、これまでの他の地域での発症とは違う意味を持つものである。

 ゴマ市は人口200万人ともいわれている、この地域最大の都市であり、隣国のルワンダに陸路で簡単に行き来できる市である。

 実際、毎日300人を超えるコンゴ人がルワンダでの仕事のために、毎日国境を越えて働きに行き、日帰りで帰って来ているという。また、週4日の飛行機により頻繁に行き来があるキンシャサも流行先としてのリスクが高まっている。

 現在キンシャサでも毎日のように、流行地から来た人々で熱などの症状が出た例を疑い例としてチェックしている。キンシャサへの流行拡大、他国への流行拡大のリスクがさらに高まったことになる。

世界保健機構(WHO)による
公衆衛生緊急事態宣言

 こうした状況を受けて7月17日、世界保健機構(WHO)にて緊急委員会が開かれ、ついにコンゴ民主共和国のエボラウイルス病の流行をPHEIC(国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態)とする宣言が出された。

 とりあえずゴマ市での症例は4例以上に増加していないが、8月に入り北キブ州の南に位置する南キブ州において4例のエボラ症例が発見された。隣接州への拡大、また、首都のキンシャサへの流行拡大のリスクは高まっている。

 もし1200万人を超える人口を抱えるキンシャサでのエボラ症例が出ると、手が付けられなくなるということは皆の共通認識である。また、隣接州であるチョポ州、マニヤマ州、タンガニーカ州等への拡大も時間の問題ともいえる。

 特にチョポ州首都のキサンガニ市へは、3つの道路、またコンゴ川の港があることから、流入の危機が高まっており、コンゴ政府もその予防対策に優先度を高くしている。