さて12月下旬になると、10月の家計調査が発表されます。その結果は「前回ほどは消費は冷え込んでいない」というものになるでしょう。それを受けて、「今回の消費増税は結局、それほど消費の冷え込みに繋がらなかった」という誤ったニュースが世間に広まる可能性があります。ここが危険なところです。

 次の段階として、そろそろ消費の転換点が訪れます。

・【1月】増税後、初めて消費者が「素」で節約を始める。消費支出のマイナスが初めて5.0%を突破。

 この転換点は2020年の3月下旬に、家計支出の統計で「本格的な消費冷え込み」として、初めてデータ的に認識されることになります。

 そして消費増税の対策として、「消費者が財布の紐を締めている」というニュースが広まり始めると、「うちもやらなきゃ」という共感が広まり、このへんから本格的に消費が冷え込んでいく。こうした傾向が、その後約半年間、夏のオリンピックが近づくまで続くことになるでしょう。

増税直後に報道される景気動向の
速報値を鵜呑みにすべからず

 それで収まればいいのですが、オリンピック後には首都圏の住宅価格が下がるという悪い予測も囁かれています。前回の増税で冷え込んだ消費マインドは、その後2年間以上にわたり、わが国の消費を冷やしてしまいました。そう考えると、今回もそれと同じことが起きかねないというわけです。

 話をまとめると、ビジネスパーソンの皆さんは、増税直後に報道される景気動向の速報値を鵜呑みにせず、様子を見ることです。1万円使うたびに1000円納税しなければならないという新しい増税のルールは、それなりに懐にとって厳しいことを、消費者は誰もが実感しているのですから。

(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)