乗って楽しい“伝統的M3スタイル”を
今日に受け継ぐモデル
M2コンペティションは、スポーツ派ドライバー垂涎のマトだ。まずエンジンが特別である。従来のM2にはN55型エンジンが積まれていた。型式名は標準車と共通。専用開発ユニットではなかった。N55型はM製パーツが組み込まれた十分に活発なエンジンだったし、シャシーをはじめ車両の性能バランスは高水準。素晴らしく楽しいクルマだった。だが、スペシャル感が少し希薄だった。
一方、M2コンペティションはS55型(=M専用ブロック)エンジンが搭載された。スペックは410ps/550Nm。従来比で40ps/85Nmもパワフルになった。M2コンペティションは正真正銘のMモデルであり、それにふさわしくいっそう過激なパフォーマンスを有している。
M2コンペティションが名車である理由。それは、マニュアルミッションで操れる手ごろなボディサイズの“Mを名乗るFRクーペ”である、という点に尽きる。もはや豪華なGT的色合いが濃くなった現行型M3&M4に代わって、乗って楽しい“伝統的M3スタイル”を今日に受け継ぐモデルだ。