日産自動車の内部監査責任者だったクリスティーナ・ムレイ氏は、カルロス・ゴーン前会長の不正行為をほう助したと思われる社員のリストを作成し、従業員の懲戒処分を検討する委員会の設置を計画していた。内部の電子メールや関係者への取材で分かった。
だが標的となった社員の1人がそうした措置は不要と主張したことを受け、日産はムレイ氏の計画をもみ消していたという。
ムレイ氏は電子メールで、不正が疑われる社員の助言によって調査の可否を決めることについて、ある上級幹部に警鐘を鳴らしていた。ムレイ氏は9月に退社した。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認したこの電子メールは、昨年11月のゴーン被告逮捕後に社内で起こった対立の一面を浮かび上がらせている。ゴーン被告は金融商品取引法違反で起訴されたが、起訴内容を否定している。