米IPO市場が低迷、ウィーワーク上場撤回の混乱でPhoto:Reuters

 米株式市場では、年初から投資家がこぞって新規上場株に投資してきたが、現在は米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズから共有オフィス賃貸を手がける米ウィーワークまで赤字経営の新興企業への興味は薄れており、そうした企業の株価が伸び悩んでいる。

 ディールロジックによると、今年上場した新興IT(情報技術)企業などの足元の株価は、新規株式公開(IPO)価格を平均で約5%を上回る水準となり、S&P500種指数の上昇率18%を大きく下回っている。IPO株が市場を大きくアウトパフォームしていた年初めの状況から一変している。

 ゴールドマン・サックスの最近のリサーチノートによると、IPO株のパフォーマンスは少なくとも1995年以来の低さとなっている。

 今年はIPOによる資金調達が過去最高になると予想されていたが、そうした見方を覆す状況となっている。また従来のサイクルよりも規模が大きく古いIPO予備軍に出資し、長期にわたる赤字経営に耐えてきた民間投資家のリスクも浮き彫りにしている。活気のあった民間の資金調達市場に水を差すものとなり、次世代の新興企業は創業資金の調達が難しくなるかもしれない。

 さらに銀行にとってはIPOの手数料収入が減少。一部企業は従来のIPOではなくコストが安い直接上場(ダイレクト・リスティング)などの代替手段を活用する動きが出てくる可能性がある。

 弁護士事務所ゴッドウィン・プロクターのリック・クライン氏(資本市場担当)は、年内に多くのIPOが行われる可能性は低いとの見方を示し、「市場のセンチメントが変わった」と述べた。

(The Wall Street Journal/Maureen Farrell)