私のダメ営業マン時代のことだ。私はあるハウスメーカーで住宅を売っていた。お客様と会うのは主に住宅展示場である。土日は朝から来店客を待ち構えていたものだ。

 ある週末のこと。ひと組のお客様が来店した。名刺を渡し、挨拶すると即座に「あいにく新築ではなくリフォームなの。ごめんなさいね」と言ってきた。

 私は新築住宅の営業だった。リフォームの契約を取っても成績にならない。笑顔をふりまきながらも《なんだぁ~リフォームを考えている客かぁ…》と残念に思っていた。一気に気合が抜け「2階もご自由にどうぞ」などと怠けた接客をしたのだ。

 ただ、このお客様は人のいい方で、来店のアンケートの記入はしてくれた。だからとってその後、フォローするわけではない。会社からのダイレクトメールだけは時々送っていただけだった。

 それから半年後、このお客様から会社に「もう案内は送らなくていいですよ」という連絡が入った。その家の前を通ってみたところ、解体工事が始まっていた。看板には「○○様邸新築工事」と書かれている。それも請負業者はライバル会社だった。

 なんとも悔しい…。「うちはリフォームだから」という言葉を信じた私がバカだったのだ。

お客様は
本音を言わない

 お客様は営業マンを目の前にして本音を言わない。

 特に好意的ではない営業マンだったらなおさらだ。今後、しつこくされないようにウソをつくのは当たり前。それを信じていたのでは、絶対に結果は出ない。