景気サイクルが「後期」から「後退期」に向かうとき、金融市場はどう変化し、投資家はどう対応すべきか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

米中貿易戦争は継続
終わりが近づく世界の景気拡大局面

 米国経済は、しばしば巨大なタンカーに例えられる。動き出すには膨大なエネルギーが必要だが、一旦動きだせば簡単には止まらないからだ。量的金融緩和・大規模減税という燃料補給を受けた米国経済は、米中貿易戦争という逆風にもかかわらず、戦後最長となる123ヵ月もの景気拡大を続けてきた。

 ところが慣性の法則が強く作用していた米国も、今年5月に中国製品への関税率を25%へ引き上げ、8月に対中制裁第4弾を打ち出したことで、状況は一変した。8月のISM製造業景気指数は、好不況の境目である50を割り込み、後を追うように9月のISM非製造業景気指数も受注や雇用を中心に悪化し始めた。

 いまや景気の失速は世界的な現象だ。日本の8月の景気動向指数は、外需の落ち込みを受けて悪化に転じた。中国では個人消費の低迷が報じられており、ドイツに至っては7-9月期も景気後退(2四半期連続のマイナス成長)の可能性が危惧される状況だ。マーケットでは米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利下げを期待する向きもあるが、金融緩和で通商問題が解決できるわけではなく、景気後退の足音は月を追うごとに強まっている。