たった3つの言葉で売れる方法を発見した『「3つの言葉」だけで売上が伸びる質問型営業』、営業のシーンに合わせた50のフレーズを使うだけで簡単にトップセールスになる『3か月でトップセールスになる質問型営業最強フレーズ50』。両ロングセラーを超える待望の新刊『3万5000人を指導してわかった質問型営業でトップセールスになる絶対法則』が誕生。本書は「トップセールスの共通点」を見出し、「トップセールスになる絶対法則」を伝えるものです。属人的な内容を「誰でも使える技術」としてまとめました。今回も、お客様の「見極め」について紹介します。
お客様が質問してきたときが
見極めのポイント
「最初から話を聞こうという気持ちで来ている人」は、見極めるのが簡単です。お客様が質問するときが、自分の問題について「解決法を知りたい」ときだからです。
「どうしたらいいでしょうか?」「どうしたらうまくいきますか?」などの質問を受けたときは、お客様のノドが渇いている状態。セールスの話を真剣に聞いてくれるのです。結果、契約率は極めて高いものになります。
反対に、お客様が欲していなければ、いくら働きかけても「そうですか」としか返ってこないでしょう。商品の説明をしても、参考程度にしか聞いてもらえず、購入に結び付くことはありません。当然、セールスパーソンが「いかがですか?」と尋ねても、「考えておきます」と言われてしまい、クロージングにさえ入れません。
このようなセールスを何度繰り返しても、何が悪いのかが残念ながらわからないのが一般のセールスパーソンです。
答えはじつに簡単で、「相手が欲してもいないことを言っても意味がない」ということです。つまり、お客様が質問してくるというのは何らかの情報を知りたいサインであり、そのときに初めて商品の説明をするベストタイミングが訪れるのです。
介護事業のコンサルタント部門に所属しているトップセールスは、この方法を使って、コンサル契約を月平均3件がいいところ、8件も獲得。やがて、全社100人近いセールスパーソンの指導員になり、2年で子会社の役員に抜擢されました。
ところが彼はその昔、トップセールスとは無縁の人物でした。それどころか、成績が上がらず、上司から叱責を受けることもしばしば。彼がトップセールスになったきっかけは、お客様に質問されるような話し方(シナリオ)に変えたことでした。
それはどのようなものでしょうか。ただ、質問すればいいというわけではありません。
まずお客様に改善の気持ちがあるかどうかを見極め、現状の問題に気づかせて、「このままではよくない」と言わせるのです。
話す相手が経営者であっても、担当者レベルであっても、彼らは皆いろいろな課題を抱えています。セールスパーソンは相手がいくつもの問題を抱えていることを理解したうえで、会話を通して、自社の商品で解決できることを気づかせるのです。
かのトップセールスは面会で、今回の訪問目的が「コンサルティングの提案である」ことのみを告げ、次のように話を進めたのです。
1.「現在はどういう状況ですか?」(現状)
まず、ゆっくりと現状を聞くことから始めました。現状を聞くことにより、お客様が現
在置かれている状況をはっきりと見つめることができます。
2.「障害になっているものはないですか?」「何が問題ですか?」(障害)
現状がはっきりと理解できたなら、次に何が障害かを聞くのです。
3.「何をしていますか?」(解決策)
次に、解決するために、何らかの策を講じているかを聞きます。講じているのであれば、その解決策で本当に実現するのかも聞きます。解決するための手を打っていないなら、「なぜ対策をしていないのか」「そのままでいいのか」も尋ねます。
トップセールスは、このような順で質問したのです。そうすることで、お客様から「どうすればそれが実現できるか?」と質問されるようになったのです。
現実を目の当たりにすると、動かざるを得ないのが人です。トップセールスは、ここに行きつくように話す方法を手に入れたのです。
人は誰でも自分のことが一番です。自分が興味を持っていないことには、まったくと言っていいほど、関心がありません。
それを無理に話題にするのは、ただの押し付けです。自覚していない問題を話し合おうとすること自体がダメです。
セールスパーソンがお客様から嫌がられているとしたら、多くの場合、それは押し付けを行っているからではないでしょうか。
「お客様が質問してきたときがベストタイミング」ということを念頭に置いて、お客様が現状を理解して自分で考えられるように質問してみましょう。「現状」「障害」「解決策」の手順を踏み、解決策に対する質問をしてもらえるように導くのです。「どうしたらいいんですかね?」、そう言われたら、見極めはOKです。
今日の格言
トップセールスは
現状の問題点を明らかにすることで
「どうしたらいいんですかね?」と
助けを求められる