英国の欧州連合(EU)離脱期限が迫る中、離脱条件を巡る双方の対立が激化している。両者はボリス・ジョンソン英首相が提示した合意案について協議しているが、8日の交渉では激しいやり取りが続き、合意成立への期待が後退している。英当局者は交渉が暗礁に乗り上げているとの認識を示し、EU側はジョンソン氏が「責任のなすり合い」をしていると非難した。英政府はこの日、EUと合意できないまま離脱することになる場合を想定した準備文書を公表した。英首相府の関係者によれば、アンゲラ・メルケル独首相はジョンソン氏に、17日からのEU首脳会議での合意成立は「圧倒的に見込み薄」だと語った。メルケル氏とジョンソン氏の電話会談を受けて、英首相府の当局者はメルケル氏が「ディール(合意)が基本的に今だけでなく永久に不可能」との見方を示したと話した。