米国をはじめ世界経済の先行き懸念は徐々に高まっているとの見方もあり、同社の業績がこれまでのように拡大するかは必ずしも定かではない。本格的に経済環境が悪化するのはこれからだろう。8日、7~9月期の業績が予想ほど悪くはなかったとの見方からサムスン電子の株価は反発したが、同社の成長を期待するのはやや時期尚早と見る。

一段と厳しさを増す
サムスン電子の経営環境

 現在、サムスン電子の今後の業績については見通しづらくなっている。特に、どの分野が今後の成長を支えていくかが見えない。

 スマートフォン事業の状況を見ると、先進国市場では、アップルの「iPhone11」の販売が予想以上に好調なようだ。市場参加者の中には、iPhone11の出荷台数が想定を上回ると期待するものも出始めた。いくつかの専門家の評価を見ても、価格に対して十分に満足できる機能が搭載されているとの見方が多い。

 それに対して、サムスン電子の「ギャラクシー」にはアップルのような評価が集まっていないようだ。サムスン電子がスマホ事業の起死回生を狙って開発した「ギャラクシー・フォールド」は、不具合が相次いだため販売が延期された。7~9月期の業績を見ると、販売延期のマグニチュードは大きく、ギャラクシー・フォールドは収益に貢献できていない。

 予定された製品を計画通りに出せなかったことは、同社の基本的な技術力の弱さを浮き彫りにしたとの見方もある。それは、バッテリーの発火などの不具合にも共通するポイントだ。

 サムスン電子は半導体事業の悪化の影響を食い止めるために、かなり急いで新型スマホを開発し、収益につなげようとした。しかし、同社には自力で新しいモノやテクノロジーを創出するだけの力が備わっていないといえる。