次の写真は、京都の中心部にある河原町三条。今では、日本だけでなく世界各国からの観光客が行き来している場所だ。旧写真を撮ったのは高校の修学旅行でのことである。私は、グループ行動なのをいいことに、移動には京都市電はもちろん、関西の私鉄を極力利用する行動計画を立てた。おかげで、有名な寺社に立ち寄る代わりに、この写真の京都市電のほか、私鉄電車の貴重な姿を記録できた。それにしても、早朝だったこともあるが、人影が見えないのは、今となっては不思議なくらいである。

六本木、京都、福岡…昭和から令和への「定点写真」に見る都市の移ろい京都・河原町三条付近 撮影:1973(昭和48)年11月
六本木、京都、福岡…昭和から令和への「定点写真」に見る都市の移ろい京都・河原町三条付近 撮影:2019(令和元)年7月

 スキャンした画像を拡大して隅々まで見ていくと、場所を特定するヒントが見つかることがある。たとえば、東京都内では住居表示の看板が多く取り付けられているから、拡大するとどこかに写り込んでいる可能性が高かった。あとは、店の看板から店名を検索して、その店が残っていれば場所がわかる。店は閉じていても、電話番号で検索して所在地がわかったこともある。

 ほかに、場所特定のヒントになるのが電柱、マンホール、道路標識の位置である。意外なものとしては、消火栓の位置を示す看板がある。大規模再開発がない限り、こうしたものはあまり変わることがない。そして、撮影地点がわかると、その緯度、経度、方向をファイル名に加えていくという作業を、本書が企画される前から何年もかけて延々と続けていったのである。