トルコは10月に入り、地中海東部のキプロス島沖合で天然ガスの掘削活動を開始した。シリア北部への軍事侵攻を進める中、欧州の裏庭に当たるキプロス島沖合でも自国の影響力を誇示しようとしている。これを受け欧州連合(EU)は14日、トルコに対する制裁措置を導入することを決定した。キプロス島沖合に広がる未開発の大規模天然ガス田については、既にキプロス共和国が複数の欧州企業に採掘権を付与している。この天然ガス田の開発を巡りEUと対立するトルコが、最も大胆な行動に打って出た形だ。EUは、トルコの「違法な掘削活動」に関わる企業・個人を対象にした制裁措置を導入するとした。これに対しトルコは14日、掘削活動を「断固として進める」とし、トルコに対するEU側の対応に報復措置を講じる姿勢を示した。トルコ外務省は発表文で「EUが不法で偏った態度を示しているため、特定の分野でEUとの連携について真剣に考え直す」と述べた。