リコー、ブリヂストン、東芝…メーカー系物流を次々買収する「メガベンチャー」の勝算鎌田正彦(かまた・まさひこ) 1959年6月22日生まれ、66歳。宮崎県出身。延岡高校卒業後、79年に佐川急便入社。87年、前身となる関東即配(現SBSホールディングス)を設立。2003年ジャスダック上場。12年に東証2部に上場し、翌13年に東証1部上場。22年にプライム市場に移行した。 画像:カーゴニュース

物流業界の「メガベンチャー」を標榜するSBSホールディングス。M&Aでメーカー系物流子会社を次々とグループ化することで、売上高5000億円規模まで登りつめた。グループをけん引する鎌田正彦社長に、さらなる成長戦略や足元の経営課題などを聞いた。(インタビュアー/カーゴニュース代表 西村旦)

*本記事はカーゴニュースからの転載です

親会社方針で営業利益率1%台に抑えられてきた
メーカー系物流子会社を迎え入れ、伸ばす

――2025年12月期業績は、売上高と純利益が過去最高を更新するなど好調でした。

鎌田 たしかに業績自体は堅調ですが、赤字の事業がまだまだ残っています。前々期の段階で20億円以上の赤字があって削減に努めましたが、1年だけではなかなか改善せず、前期でも19億円くらい残っています。今期はこれを半減すべく取り組んでいきますが、お客様と結んだ契約の縛りなどもあってすぐにゼロにはなりません。

 前期を総括すると、前々期の非常に苦しい状態からは若干浮上してきたものの、まだICU(集中治療室)からは出ることができない状況です。ただ、これはSBSグループが成長を続けるための「産みの苦しみ」だととらえています。

――「産みの苦しみ」とは。

鎌田 われわれのビジネスモデルは、親会社の方針によって営業利益率を1%台に抑えられてきたメーカー系物流子会社をグループに迎え入れ、外の仕事を増やしながら利益率を2%から3%、5%へと伸ばしていくというものですが、当然ながらそれには一定の時間がかかります。

 新しく仲間になった会社には「営業をしっかりやりながら一緒に成長していこう」と常々言っており、新規開拓をどんどんやらせています。そうすると、数多くの仕事を受注するなかで、黒字になると考えて獲ってきた仕事が赤字になってしまうことが往々にして起こります。

 それが「産みの苦しみ」ですが、ここを乗り越えていかなければなりません。赤字を恐れるあまり営業開発の手を止めてしまえばグループとしての成長はありません。