9月の台風15号に続き、台風19号が東日本を襲った。異常気象による大災害はもはや「数十年に一度」のものではない。東京は世界1位の災害リスク都市なのである。(ダイヤモンド編集部)
台風19号が深い爪痕を残した10月13日の日曜日、福島県の地場建設会社である小野工業所の小野晃良社長は、都心から福島への道程を急いだ。
千葉のグループ会社は9月の台風15号で屋根が吹っ飛び、ブルーシートをかぶせて営業を再開していた。ここが再び被災するのを懸念し、持ち株会社の本社がある東京で19号に備えた。
結局、大きな打撃を受けたのは千葉のグループ会社よりも福島の方だった。小野工業所本社の被害こそ大きくはなかったが、複数の河川が決壊し地域の復旧が急務になった。地元に戻るや否や自治体から要請が相次ぎ、あふれた水をポンプで川へ戻す作業に追われた。
県内の郡山市では、郡山中央工業団地にあるパナソニックの電子材料の工場、日立製作所の情報機器関連の工場などが被災した。床上まで浸水し、連休が明けても同工業団地内のほとんどの工場が稼働できていない。
台風19号は産業も直撃し、調査もままならず被害の全容がつかめないところもある。その最たるものが北陸新幹線だ。