地元や業界へ利益を誘導してきた政治の歴史があるだけに金の使い方が肝心で、予算が付くハードを熟慮することが必要だ。と同時に、金が回らなければ災害復旧の現場に立つ地方建設業者が消滅する危機がある。

 冒頭の小野社長は復旧現場で「災害を熟知した人材が減ってきた」と痛感、「全国各地でこういう現場の頭数が減っていくのか」と想像し寒けがしたという。東京五輪も控え人員のやりくりがタイトな建設業界はベテランの引退が加速し、若者には人気がない。災害は他産業も含め人手不足を浮彫りにする。

営業再開しても棚は空っぽ

被災しなかった首都圏のコンビニは営業を再開したが、棚が空っぽというケースも見られた
被災しなかった首都圏のコンビニは営業を再開したが、棚が空っぽというケースも見られた

 コンビニエンスストアでは、台風が上陸した12日から13日にかけて、主に東日本の加盟店オーナーの判断により自主的に休業した。その数は、最大手のセブン-イレブン・ジャパン(SEJ)が4000店舗、ファミリーマートが2500店舗、ローソンが2200店舗に及んだ。

 SEJでは18年、福井県の加盟店で、豪雪で従業員が出勤できないのに本部が閉店を認めないためオーナー夫婦が50時間超勤務し、妻が過労で救急搬送されたと訴える問題が発生した。その後、加盟店の負担を巡り批判を浴び、各社本部は今回、加盟店オーナーの自主的な判断に委ねた。

 東京都八王子市でセブン-イレブン八王子万町店を営むオーナーの増田敏郎氏は、12日朝7時から13日朝6時まで店を閉めた。「約40年コンビニを経営していて、初めて災害で休業した」。13日に営業を再開したが、麺類や弁当、おにぎりなど「デイリー商品」と呼ばれる商品は十分に入荷されず、首都圏では13日に営業を再開するも棚が空っぽのケースが見られた。「ベンダー」と呼ばれる大手3社の製造委託先工場で目立った被害はなく、SEJの委託先2工場で一時的な停電が発生した程度。商品の供給が止まったのは、12~13日は交通機関の運休や道路の封鎖などで従業員が出勤できずに製造できなかったため。14日以降はこうした商品も店頭に並んだ。