もうマグロ大学とは呼ばせない
現実味を帯びる「関関近立」

 関西の私大で見過ごせないのが近畿大の台頭だ。京都産業大、甲南大、龍谷大とともに「産近甲龍」と呼ばれてきたが、近年、そこから脱し、「関関同立」に割って入るかもしれないという。

 志願者数は14年度から6年連続トップ。学部別偏差値を見れば、法学部や経済学部で関学や立命館にも並ぶ。設立4年目の国際学部も、同じ国際学系に分類される関西大政策創造学部(国際アジア法政策学科)に引けを取らない。関西圏を中心に120校以上を展開する進学塾「第一ゼミナール」の大学受験部門担当者が言う。

「理系はまだ関大のほうが上だが、一部の文系の学部は、入試偏差値は近大と関大が同じランクにある。近大は産近甲龍からは抜けていると思う」

 大学通信常務の安田賢治さんは言う。

「近大はバンカラなイメージが強かったが、11年に建築学部、16年に国際学部と、女子が集まる学部を開設した。全体的に女子が増えていることが、大学のレベルアップ、イメージ向上につながっている。『関関近立』はありえるでしょう」

 躍進の背景には巧みなブランド戦略がある。その名を全国区に押し上げたのは、世界初のマグロの完全養殖成功。「近大マグロ」としてブランド化し、民間企業と提携して養殖の事業化を進め、13年4月には、大阪駅北側の複合商業施設に近大マグロなどが食べられる料理店を開店した。

 17年の正月には、「早慶近」と書かれた新聞の全面広告が話題に。英国の教育雑誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」が発表した「世界大学ランキング2016-2017」で、日本の私立総合大学では601~800位に慶應義塾大、近大、早稲田大がランクインしたことを受け、「語呂が良いだけの大学の“くくり”に依存してませんか?」と、従来の大学序列に物申すような広告だった。ただ、定着はしなかった。関関近立はどうか。

 転換期を迎えている大学だが、今後序列はどうなるのか。駿台教育研究所進学情報事業部長の石原賢一さんはこう見る。

「AOや推薦入試で学生を取る割合が多くなっています。早慶でも入学者の半分程度が一般入試以外から。今後は7割程度まで増えるのでは。偏差値による大学選びは20年代の後半には終わり、自分の学びたいことと、大学が求める人物像や教育環境を踏まえて選択するようになる。大学の特性などから新しいグループが出てくるでしょう」

(本誌・吉崎洋夫、緒方麦)

※週刊朝日 2019年10月18日号より抜粋 

週刊朝日より
AERA dot.より転載