対立が続く米イラン関係の歴史で、ドナルド・トランプ米大統領ほどイランを苦しめること腐心した米国の指導者はいない。トランプ氏は経済的及び外交圧力のみならず、間接的にも軍事圧力も加えてきた。こうした中、トランプ氏による駐留シリア米軍の撤退決定が、実のところイランを多岐にわたって支えることになるのは最大の矛盾だ。対イラン政策では往々にしてそうであったように、米国の衝動は「意図せぬ結果」を招くという中東の厳しい決まりに抵触してしまった。 トランプ氏はここにきて、シリア北東部に少数の米軍部隊を残すことを検討し始めた。同地域の油田を監視することが主な目的だ。トランプ氏は当初、米軍の全面撤退を指示。トルコ軍の侵攻を開き、過激派「イスラム国(IS)」掃討で米国の最も重要なパートナーだったクルド人武装勢力への攻撃を容認した。
米軍シリア撤退、敵国イランに吹く突然の追い風
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