かつてないドル円相場の「膠着」
円高圧力は過去のもの?
米国の利下げによる日米金利差の縮小と「ドル安」を求めるトランプ大統領の“口先介入”にもかかわらず、ドル円相場は落ち着き、かつてなく狭い変動幅で推移している。
今年のドル円相場の値幅は、直近までのところ、1ドル=104.46円(8月26日)から112.40円(4月24日)とわずか7円94銭にとどまっている。
もし仮にこのまま年末を迎えると、変動相場制への移行後、最も値幅が狭かった2018年の9円99銭(104.56~114.55)をさらに更新することになる。
加えて、今年の1月にせよ8月にせよ、104円台までドル安円高が進んだ場面では、どちらもすぐに105円台を回復し、足もとでは108円台の回復にいたっている。
こうした経緯もあって、ドル円が膠着相場に入り込み、円高リスクは和らいでいるとの見方も少なくない。しかし、結論から言えば、この2年足らずの間、むしろ円高が着実に進行してきたのが実情だ。