『週刊ダイヤモンド』3月30日号の第1特集は「株・為替の新格言」です。世界経済の変調の波が、外国為替市場にもいや応なく押し寄せています。2018年にはドル円相場の年間変動幅が初めて10円を割り込みました。膠着相場の裏でいったい何が起こっているのか――。相場に立ち向かうための「新常識」を探ります。(本記事は特集からの抜粋です)
ドル円市場で異変が起きている。1年間の変動幅が、2018年は9.91円となり10円をとうとう割り込んでしまったのだ。
10円割れは1973年に変動相場制に移って以降、初めての出来事だ。大きなトレンドがなかなか発生せず、膠着する相場にFX(外国為替証拠金取引)の個人投資家のフラストレーションがさぞたまっていそうに思えるが、さにあらず。
膠着感の強いレンジ相場こそ、個人投資家が利益を上げやすい絶好の機会なのだ。
そもそも、デイトレードなど短期取引が主体の個人投資家は、レートが上がったら売る、下がったら買うという「逆張り」になりやすい。