パーティーを台無しにするのは、米半導体大手テキサス・インスツルメンツ(TI)だけで十分だ。前にも見覚えがある。同社が22日に発表した7-9月期(第3四半期)決算は、売上高が前年同期比11%減の37億7000万ドルと、市場予想の38億ドルに少し届かなかった。だがとりわけ心配なのは10-12月期(第4四半期)の業績見通しだ。市場予想(3%減収)を大きく超える14%の減収を見込んでいるという。四半期の落ち込み幅としては同社にとって約10年ぶりの大きさとなる。TIの株価は23日、7%超の下落となった。だが影響は同社にとどまらなかった。TIは時価総額で半導体業界4位の企業であり、事業の多角化で突出する。大量の半導体をさまざまな市場で販売し、特に依存度の大きい分野はない。同社自身が22日、昨年最もよく売れた製品でも総売上高に占める比率は1%未満だったと述べている。そのため、同社が実質的に、弱気な業績見通しは米中貿易摩擦による不透明感が続くためであり、3カ月前と比べても顧客の「警戒感ははるかに強い」と指摘したのに対し、市場は悪い兆候が多方面に及んでいるのだと受け止めた。フィラデルフィア証券取引所(PHLX)の半導体株指数は23日の引けまでに2%近く下げた。
TIの暗い業績予想、半導体セクター惑わす
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