これに対し、現場で塾を運営するパネラーからは、
「地域若者サポートステーションのカウントの仕方と同じ基準で、自立塾の評価をされるのは、おかしいのではないか。最初に電話をかけてきてから自立塾に来るまでに、短い人でも(逡巡などで)3か月はかかる。それまでに、カウントされることのない、目に見えない数多くの相談やサポートがある」

「必要とする若者のニーズが明らかに存在する。しかし、そうしたニーズにサービスが届いていない。より費用対効果が上がるように、施策そのものが、もっと問われなければいけないのではないか」

などと発言が相次いだ。

 100年に1度と言われる未曾有の大不景気で、一般の人たちでさえ、就労の環境を維持するのが難しくなってきている時代。確かに、デリケートな個々の時間をかけた「心のサポート」が必要とされる事業に対し、効果が見えないから「廃止」とバッサリ切り捨ててしまうのは、いささか無理がある。

 どのくらいの人たちがどこで、こうした就労支援を必要としているのか。そして、働きたくても働けない人たちは、どのようにして社会復帰していけばいいのか。実態は解明されておらず、そのプロセスすら、いまだ示されていないからだ。

高年齢化しながら浸透する
「引きこもり」の実態

 自立したはずの社会人が、「ある朝、突然、動けなくなる」「会社に行こうとしても、家から出られなくなる」――そんな「引きこもり」するオトナたちはいま、確実に増え続けている。

 例えば、東京都が昨年、国がニートと定義する15~34歳の男女に絞って無作為抽出した大規模な調査結果をみても、「自室からほとんど出ない」「自分の趣味に関する用事のときだけ外出する」などの引きこもり状態の人が、都内に少なくとも2万5千人以上いると推計。「引きこもり予備軍」を含めると、その合計は、都内で約20万人に上る計算だ。