リファレンスを取れば確実なジャッジができる、というものではありませんが、取っていれば防げたということはたくさんあります。極端な話、リファレンスを依頼した段階で、何か大きな問題のある候補者は自ら去っていきます。話のつじつまが合わなくなったり、うそがバレたりするからです。

 逆に、疑念が生じたのでリファレンスを取ったところ、迷いは見事に晴れて採用に至ったケースもあります。

 ある企業で最終面接まで至った候補者が過去、パワハラで問題になったことがあるという指摘がありました。しかし、かなり昔の話のようであり、そのような人物にも見えなかったのでリファレンスを取るよう勧めたところ、この企業では本人の承諾を得て候補者の部下に話を聞くことになりました。

 それによると、彼は業績に対して厳しいがリーダーシップのある非常に素晴らしい上司で、経営幹部からの評価も高い。確かに過去、パワハラで部下から人事部に告発されたことがあったが、このケースではその部下のほうにも問題があった、ということでした。

 リファレンスを取った結果、問題はないと判断され、この候補者は気持ちよく採用されました。このように何かクエスチョンが生じたとき、リファレンスを取ればスッキリできる場合もあります。ただし、本人の承諾がないと違法になる可能性がありますから、注意が必要です。

(株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)