仕事や組織の在り方に
大きな変化が進行中
賃金を労働時間で決定するのは、労働時間が生産量に比例する製造業のモデルです。しかし現在は労働時間では成果を測れない仕事が増加しました。そこでは短時間しか働いていないから仕事をしていないというわけではないし、長時間働いても十分な成果が出るとは限りません。
すると、企業は成果で賃金を決定するのが合理的になります。「この領域でこれだけの成果を出していただきたい。給与はこの金額で、働く時間は基本的に自由です。ただ朝9時半には出社してください。そうしないとコミュニケーションや効率が悪くなりますから。以上」というような感じです。
つまり、企業側の努力としては社員のジョブディスクリプション(職務経歴)と一人ひとりに求めるパフォーマンス、報酬をしっかり整理・管理する必要があります。もちろん健康への配慮が前提です。先進的な企業ではこうした取り組みが進められていますが、いまだに長く在籍しているだけの社員が枢要なポジションを占め、成果に見合わない給与を払っている一方、最前線で成果を上げている社員に対して十分見合った給与を払っていない企業もあります。
成果の有無にかかわらず、在籍期間が長いだけの人が役職についている組織を下から見ると、何も仕事をしていないおじさんがゴロゴロいる状態です。しかも権限を持っているため、余計な口出しをして最前線の仕事や新たなチャレンジの邪魔をする。そして現場からは「邪魔さえしなければまだいいんだけど……」といったグチが聞こえてくるようになります。成果に貢献しない上部の組織階層があると、最前線の足を引っ張ってしまうようです。